このページでは、土木就活生の皆さんがあまり知らないであろう建設コンサルタントの仕事内容、やりがい、向いている人、いない人について説明します。
建設コンサルタントの仕事
正直、建設コンサルタントってほとんど聞いたことが無いのですが、どんな仕事をしているんですか?
簡単に言うと、工事以外の技術的な部分全てです。
下の図をご覧ください。
全ての段階で活躍しているんですね。
各段階では何をしているんですか?
では、順番に詳しく見ていきましょう。
建設コンサルタントの仕事【企画立案】
- 社会課題に対する解決策の検討・評価を行います
- たとえば、ある渋滞の対策のためには、既存道路の拡幅をが良いのか、迂回路の新設が良いのか、通行規制で良いのか、はたまた工事中の別道路が完成したら解消されるのか?といったことを、検討して評価するのがこの段階です。
- 大学で学んだ分野では、都市計画、交通計画等がここにあたります。
建設コンサルタントの仕事【調査計画】
- 企画で決定した事を実際に行うための詳細な調査や計画を行います。
- たとえば、企画段階で決まった「迂回路の新設」に対して、迂回路の大まかな道路の形を計画して、沿線の環境調査、地質調査、測量調査等の各種調査等を行うのがこの段階です。
- 大学で学んだ分野では、地質、環境、測量、交通計画等がここに当たります
建設コンサルタントの仕事【設計】
- 調査結果を元に、計画を具体的な形にして、工事を行うための設計を行います。
- たとえば、迂回路を作るために必要な擁壁や橋、道路の勾配等の詳細を検討・決定し、mm単位で設計図に落とし込んでいくのがこの段階です。
- 大学で学んだ分野では、構造力学、材料力学、土質力学、水理学等がここに当たります。
建設コンサルタントの仕事【工事】
- メインの施工はゼネコン・メーカーが行いますので、建設コンサルタントの仕事は施工が計画通り行っているのかを監督する部分になります。
建設コンサルタントの仕事【維持管理】
- 出来上がった社会インフラが使われていく中で、災害や老朽化等で劣化が生じていないかの点検や、必要に応じて補修補強を行っていく段階です。
- 点検や補修補強の設計を建設コンサルタントが行います。
- 大学で学んだ分野では、維持管理工学がここに当たります。
ほとんどの段階で活躍中なんですね!
そうですね。
そのため、建設コンサルタントと一言で言っても、分野によってやる仕事は全然違います。
そのため就職活動の際には、OB訪問や座談会で仕事内容を具体的に聞いておくと、就職後のミスマッチが防げますよ。
建設コンサルタントの仕事は、社会インフラが生まれるまで、生まれてからの永きに亘り携わっていく仕事になります。
実際にモノを作っているのはゼネコン・メーカーですが、「何のために、どこに、どんなモノを作るのか?」を決めているのは建設コンサルタントになります。
建設コンサルタントのやりがい
実際に働いている方は、どんなことをやりがいに感じているんでしょうか?
人によって感じ方は違いますが、以下のような話をよく聞きますね。
建設コンサルタントのやりがい【暮らしを守る仕事】
日本は災害の多い国であり、近年でも台風災害は毎年のように発生していますし、地震リスクも高い国です。
災害から人々を守るための計画・設計を担っているのは建設コンサルタントです。
ソフト分野は、建設コンサルタントが主体となりますし、ハード分野でも、どのような目的で何を作るのかを決めているのは建設コンサルタントです。
建設コンサルタントのやりがい【形に残るものを作る喜び】
建設コンサルタントが仕事で携わるのは、道路や河川、橋梁、ダム等様々です。
実際に構造物を作るのは施工者ですが、その計画を作っているのは建設コンサルタントです。
例えば「この道路は自分が計画したんだ」と誇りに思える仕事です。
建設コンサルタントのやりがい【最新の知見を仕事で活かす】
建設コンサルタントでは、最新の知見を仕事で活かしていくことができます。
社会の発展スピードが加速する中で、新たな技術・理論・社会ニーズはどんどん出てきています。
それを使いこなしていくのが建設コンサルタントの仕事です。
建設コンサルタントのやりがい【自己成長】
建設コンサルタントの仕事は、ステップアップが明確にあるので、自己成長が目に見えるというやりがいもあります。
見習いから、担当者になり、主担当者になり、管理技術者になるというステップを踏みながら、自分の成長をかみしめることができます。
また、資格取得や知識習得に熱心な会社も多いため、社内の勉強会等で力をつけることができるのも魅力です。
建設コンサルタントに向いている人
建設コンサルタントに興味が出てきました!
どんな人が建設コンサルタントに向いているんでしょうか?
こんな人が向いていますよ
建設コンサルタントに向いている人【幅広い発想】
建設コンサルタントの仕事は、社会インフラ整備の上流分野になるため、比較的自由度が高い分野です。
課題解決のために、幅広い発想での提案ができる人が向いています
建設コンサルタントに向いている人【自己研鑽】
社会のニーズは時代とともに変化しますし、技術も常に進化しています。
社会インフラを作るという事は、社会の未来を創ることになりますので、最新のニーズや技術を常に把握し、業務で活かしていくことになります。
そのため、新しいことを学んで使っていくのが好きな方が向いています。
建設コンサルタントに向いている人【人と接するのが好き】
ひとりで黙々仕事をしているイメージがあるかもしれませんが、実際には人と接するのが多い仕事です。
発注者や地元住民から話を聞いて課題を整理したり、社内で議論したり、外注さんに仕事をお願いしたりと、人とのやり取りが多い仕事ですので、人と接するのが好きな人に向いています。
建設コンサルタントに向いている人【文章】
前述のとおり、仕事には幅広い発想が必要ですが、当然そのガイドラインとなる基準書等が存在します。
これらを把握して仕事を進める必要があります。また、自己研鑽においても、多くの書物から知識を得る必要がありますので、本を読むのが好きな方が向いています。
また、建設コンサルタントでは「なぜこの計画・設計なのか?」という事を、文章で分かりやすく説明する必要があります。
そのため、文章を書くのが好きな方が向いています。
建設コンサルタントに向いている人【デスクワーク】
分野にもよりますが、デスクワークが多くなりがちな業種です。
調査が多い分野でも、半分程度はデスクワークになるのではないでしょうか?
そのため、外での仕事よりも、デスクワークが好きな方に向いています。
建設コンサルタントには向かない人
就職活動よりも、決まってからの仕事の方が長いことを忘れないでください。
自分に向いていないと思った場合は、業種を変えることをおすすめします。
こんな人は建設コンサルタントには向いていないのでご注意ください
・デスクワークが辛い人
・本を読む、文章を書くのが辛い人
・人と話すのが辛い人
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